日本語のEpub電子書籍サンプルです。 Epubは、アップル(Apple)のアイブックストア(iBookStore)、グーグルエディション(Google Editions)、ソニーリーダー(Sony reader)などが採用した公開電子書籍フォーマットです。 アマゾン(Amazon)のキンドルブック(Kindle book)の入稿形式としても利用可能です。
このサンプルは最初、Windows環境で動作するEpub対応電子書籍リーダーアプリケーション、アドビ(Adobe)のデジタルエディション(Digital Edition)でテストしました。 iPadのiBooksリーダーでもテスト済みです。
ダウンロード: epub-sample.zip
PodcastでiBooksへ配信: podcast.xml
(上のリンクをクリックすると、PCのiTunesが起動し、ライブラリにサンプルがダウンロードされます。このときPodcastの登録を求められてもキャンセルしてください。続いてiPhone/iPadを接続して同期させ、iBooksを起動してください。本棚にサンプル本が登録されているはずです。)
この日本語のEpubブック(Open eBook)サンプルは下記のリンクにある英語のEpubサンプルを元に作成しました。
.epub eBooks Tutorial (How to Make an ePub eBook by Hand)
Epub形式は、XHTMLの本文と、目次などいくつかのXMLファイルをZIPファイルにまとめたものです。 この例のように特別なツールを使わなくても、テキストエディタとZIPコマンドだけで作成できます。
表示のテストは、Windows環境でEpubに対応したAdobeのReaderソフト、Digital Editionを用いて行いました。
英語のサンプルの文字を単に日本語に直しただけでは、日本語は表示されませんでした。 下記リンクのとおり、XHTMLファイルに言語指定を加える必要がありました。
要約すると、本文のXHTMLファイルのHTML宣言に言語を指定する必要がある、ということです。
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"> | v <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja">
この修正で日本語の表示が確かにうまくいきました。
このサンプルブックはタイトルページ、第一章、第二章の三つのセクションに分かれています。 サンプルEpubファイルをAdobe Digital Editionで開いた様子です。



Epubとは、電子ブック(eBook)の公開規格のひとつで、ファイルの拡張子が.epubのため、この名前があります。 International Digital Publishing Forum(IDPF)という団体が規格を決めています。
簡単にまとめると、
IDPFが策定した主な仕様のバージョンです → 仕様書一覧
(2010/03/30加筆)Epubには、XHTMLベースのもののほか、DTBookと呼ばれる形式も含まれています → アクセシブルな教科書としての電子書籍(ろす氏)。 こちらにはEPUB仕様書の日本語訳のリンクもあります。
サンプルのZIPファイル(sample-epub.zip)を解凍すると、次のファイルがあります。
sample.epub sample/ mimetype META-INF/ container.xml OEBPS/ content.opf toc.ncx title_page.xhtml chap01.xhtml chap02.xhtml stylesheet.css page-template.xpgt images/ koma.gif (sample.jpg replaced) makeepub.bat
sample.epubがEpub形式のZIPファイルです。 その中身がsampleフォルダ以下に置いてあります。 sample.epubの拡張子部分をzipに付け替えて解凍したものです。 上で紹介したオリジナルの英語サンプルの内容を借りて、日本語の表示テストを行うためにいくつかのファイルを書き直し、あるいは置き換えました。 太字のファイルが修正・置換したファイルです。 makeepub.batはsampleフォルダの内容をsample.epubにまとめるのに使ったバッチコマンドです(後述)。
次のファイル群はEpub仕様に準じたメタファイルです。
| mimetype | Epub形式のZIPファイルであることをリーダーに知らせるファイル |
| META-INF/container.xml | 次のOPFファイルの場所を示すファイル |
| OEBPS/content.opf | ブック本文を構成するファイル一覧。XHTML、CSS、画像などすべて。ページの表示順(spineという)もここに記述する。 |
| OEBPS/toc.ncx | 目次。 |
次のファイル群は、Epubブックの本文を構成するファイルで、このままWebでも表示可能です。
title_page.xhtml chap01.xhtml chap02.xhtml stylesheet.css koma.gif
次のファイルは、AdobeがEpubに加えた拡張のひとつ、XML形式のスタイルシートです。 iBooksではAdobeのページテンプレートはサポートされません。
page-template.xpgt
ソースからEpub形式のZIPファイルを作るには、なんらかのZIPツールを使用します。
ただ、ひとつやっかいな条件があります。 metafileがZIPファイルの最初のファイルで、しかも圧縮されてないことが条件です。 Windows XP内蔵のZIPツールで無圧縮を指定する方法はわからなかったので(たぶんできない?)、コマンドラインのZIPツールを使用しました(いつも使用してるもの)。
makeepub.batの内容は次のとおりです。
cd sample zip -0 ..\sample.epub mimetype zip -r ..\sample.epub * -x mimetype cd ..
ここで、-0オプションは圧縮しない指定、-rは下位フォルダも格納する指定、-xは除外するファイルの指定です。
日本語の文字の表示については多くのEpub対応リーダーで実現されています。 文字の配置が不揃いで読みづらいものもありますが、多くのリーダーで大幅に改善が進んでいると感じます。
日本語特有の機能として、禁則、ルビ、縦書きがあります。
iBooksリーダーでまとまった日本語の文章を表示してみると禁則がサポートされているように見受けられます。 禁則のサポートは技術的にもむずかしくないので順次進むのではないかと思います。
ルビは、XHTML 1.1の<ruby>タグをリーダーがサポートすることによって実現されると思います。
<ruby><rb>工文社</rb><rp>(</rp><rt>こうぶんしゃ</rt><rp>)</rp></ruby> (ルビをサポートしないリーダーは読み仮名をカッコで囲んで漢字に続けて表示する)
Epub 1.2には<ruby>タグは含まれていません。 Epub 2.0では拡張モジュールとして定義されています。 つまりリーダーによってはオプションでサポートされると予想します。
日本市場が立ち上がるにつれ、内外のリーダーメーカーが、Epubの仕様に関わらず、順次対応してくるのではないかと期待しています。
以上です。
(10/04/14加筆) 日本電子出版協会(JEPA)が、Epubの日本語対応要件(英語)を公開しています。 また、その元になったという、W3Cの日本語組版の要件(英語、日本語訳あり)には、日本語の組版ルールについて詳しく書かれています。
(10/06/03加筆) 上記を踏まえて、リーダーに縦組みか横組みかを指示する具体的なスタイルシート属性が提案されています → EPUB仕様の日本語組版拡張を目指して(村上・村田氏)。 全体、ブロック、文字列の縦横を指定するwriting-mode、ブロックの四辺の空きを指定するmargin-before/after/start/endなどです。
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提供: 横浜工文社
作成: 2009/09/18
更新: 2010/08/29
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